2010年のドッド・フランク・ウォール街改革・消費者保護法(Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Act)セクション1502は、アメリカにおける紛争鉱物に関する法規制です。アメリカ国務省は、アフリカ大湖地方の紛争影響・高リスク地域における責任ある鉱物取引促進のため、企業が適切なデューデリジェンスを実施できるよう、グローバル規模で支援を拡大するべく取り組んでいます。金・錫・タンタル・タングステンの紛争フリーなサプライチェーンの構築と利用を推進するために、国務省は、各国政府、企業、非政府組織など国内外の様々なパートナーと協力しています。
また、ウォール街改革・消費者保護法セクション1502の包括的な実施取り組みの一環として、国務省は他の米国政府機関とともに、コンゴ民主共和国(DRC)およびその周辺国において、鉱山業界の透明性向上や規制改革の促進も支援しています。
Confict Minerals Rule(紛争鉱物規則)に基づく紛争鉱物報告の管理責任は、証券取引委員会(SEC)にあります。この規則により、米国の証券取引所に上場している企業で、製品の製造または製造委託に金・タンタル・タングステン・錫を含むものは、毎年SECへ紛争鉱物報告書を提出する必要があります。報告書には、製品に使用されている紛争鉱物の原産地特定に向けたデューデリジェンスの内容や、調達リスク低減に関して講じた措置の説明を記載しなければなりません。
SECはConfict Minerals Ruleへのコンプライアンスを支援するため、Small Entity Compliance Guide(小規模事業者向けガイド)やFAQを提供しています。また、SECは各社の紛争鉱物報告書の内容を審査・評価して、本規則への適合性を確認しています。
米国においてConfict Minerals Ruleの対象となる企業は、以下の手順に従って規制を遵守する必要があります。
- 合理的な原産国調査(RCOI:Reasonable Country of Origin Inquiry)の実施:各社は、製品に用いられる紛争鉱物がコンゴ民主共和国(DRC)または隣接国由来かどうかを特定しなければなりません。これには、紛争鉱物の原産地を誠実に調査するRCOIを実施する必要があります。
- デューデリジェンスの実施:製品中の紛争鉱物がDRCまたは周辺国由来である可能性が判明した場合、サプライチェーン全体のデューデリジェンスを行い、原産地および管理(チェーンオブカストディ)を特定します。ここでは、紛争鉱物の出所追跡と、紛争地域からの調達リスク評価が求められます。
- 紛争鉱物報告書の作成・提出:調査・デューデリジェンスの内容、結果、リスク低減措置を記載した紛争鉱物報告書をSECに作成・提出します。
- 外部独立監査(IPSA:Independent Private Sector Audit)の取得:製品に含まれる紛争鉱物がDRCまたは周辺国由来の可能性があり、かつその鉱物が製品の機能・生産に不可欠な場合、紛争鉱物報告書について独立した民間監査人による外部監査(IPSA)を受ける必要があります。IPSAでは、企業のデューデリジェンスの妥当性や報告書の正確性が第三者的視点で評価されます。
SECが企業のConfict Minerals Rule未遵守を認定した場合、罰金・制裁金・法的措置を含む執行措置が科されることがあります。そのため各企業は、規制を正確に遵守し、SECへ正確かつ完全な紛争鉱物報告書を提出することが求められます。