カリフォルニア州プロポジション65とは
正式名称は「安全な飲料水および有害物質施行法(Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986)」であり、カリフォルニア州プロポジション65は州の住民投票により法律化され、1988年に施行されました。プロポジション65は、発がん性や出生異常など健康被害が明らかになっている化学物質への「重大な曝露」について、企業に警告ラベルの表示を義務付けています。これらのラベルは主に市販製品に表示されますが、家庭、企業、職場など、重大な化学物質への曝露が存在するあらゆる環境にも表示される場合があります。
プロポジション65が1988年に施行された当初、法律の対象となる化学物質のリストには235種類が含まれていました。カリフォルニア州はこのリストを毎年更新する法的義務があり、現在は約900種類もの化学物質(ヒ素、カドミウム、そして有害性が知られるDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)など)が対象となっています。
カリフォルニア州プロポジション65の運用担当機関
プロポジション65は、カリフォルニア州環境保健有害性評価局(Office of Environmental Health Hazard Assessment, OEHHA)が運用しています。OEHHAはカリフォルニア州環境保護庁内の部局で、主に化学汚染物質の健康リスクの特定と評価を担っています。OEHHA公式ウェブサイトによると、同局のミッションは「有害物質によるリスクを科学的に評価し、人の健康と環境を守ること」とされています。
カリフォルニア州プロポジション65の執行主体
正式には、カリフォルニア州司法長官事務所がプロポジション65の執行責任を負います。しかし実際には、多くの場合、消費者保護団体、環境関連NGO、一般市民、および弁護士が、違反とみなされる企業に対し訴訟を起こすことで執行活動が行われています。2022年には、企業がこの環境規制に関連する訴訟の和解金として2,600万ドルを支払いました。
セーフハーバーレベル
カリフォルニア州プロポジション65リストに含まれる多くの化学物質は、曝露レベルにかかわらず警告ラベルの表示が求められますが、約300物質についてはOEHHAが「セーフハーバー」レベルを定めています。セーフハーバーとは、「プロポジション65の警告を必要としない曝露レベル」とOEHHAにより定義されています。これら指定レベル以下の曝露であれば、人の健康や環境に対し安全と判断され、プロポジション65の警告表示義務は発生しません。
カリフォルニア州プロポジション65の最近の改正
2018年8月から新たなOEHHA規則が施行され、プロポジション65にはいくつかの改正点が加えられました。警告ラベルにはOEHHAのプロポジション65専用ウェブサイトのアドレス、リスト掲載化学物質名の少なくとも1つ、新たな警告シンボルである黒い感嘆符入りの黄色三角形が必須となりました。また、AmazonなどのECサイトも、カリフォルニア州向け商品のプロポジション65警告ラベル表示を法的に義務付けられています。
カリフォルニア州プロポジション65が影響する対象
カリフォルニア州プロポジション65は、カリフォルニア州内または同州向けに製品を販売するすべての事業者に影響します。プロポジション65リストにある約900種の化学物質のいずれかを含む製品を販売する事業者は、その含有を認識しているか否かに関わらず、法律の適用範囲となります。さらに、職場・賃貸住宅・その他の物理的スペースを管理する事業者や不動産所有者も、これら対象物質への重大な曝露がある場合、警告表示ガイドラインの遵守が法的に求められます。
プロポジション65の違反時の罰則
カリフォルニア州プロポジション65への違反は、金銭的な罰則につながる可能性があります。OEHHAによれば、罰金は「1件の違反ごと、1日あたり最大2,500ドル」に達します。違反行為で訴訟に発展した場合は、様々な訴訟費用も発生することがあります。