先月、SIAは、2022年第1四半期における世界半導体販売額が前年比23%増加したと発表しました。業界の成長に伴い、天然資源の利用量やカーボンフットプリント、環境への悪影響も拡大しています。
2020年にハーバード大学のグループが発表した研究によると、ハードウェア製造がカーボン排出の主な要因となっています。この研究には、TSMC、Intel、Google、Microsoft、Facebook、Appleなど、最大手テック企業のレポートが含まれています。
Schneider Electricの指摘によれば、毎年数十億個の半導体チップが製造されており、1つのチップの生産に約32リットルの水、2.5オンスの化学薬品、1.6kgの石油が必要です。
TSMC単独でも、2020年にはおよそ1,500万トンのCO2を年間の電力使用で排出しており、同社の消費電力量は台湾全体の約5%に相当します。
The Guardianによれば、アリゾナ州オコティーヨにあるIntelの700エーカー規模の拠点では、2021年最初の3ヶ月で約15,000トンの廃棄物が発生し、9億2,700万ガロンの淡水(約1,400のオリンピックプールに相当)が消費され、5億6,100万キロワット時の電力が使用されました。今年だけでも、世界中で2,000万トンを超える電子ゴミが廃棄されています。多くが一般廃棄物埋立地に捨てられ、重金属による土壌と地下水の汚染が問題となっています。
業界による環境影響低減への取り組み
TSMCなど世界有数の半導体企業の多くは、2030年から2050年までにサステナビリティ施策を実現することを既に宣言しており、エネルギー消費、水使用量、廃棄物の削減に注力しています。
中には、世界中の消費電力を100%再生可能エネルギーに切り替えることを約束し、RE100に加盟している企業もあります。
また、AppleやMicrosoftなどは、世界各地のリサイクル団体と連携したリサイクルプログラムを展開し、地球規模の電子ゴミ問題解決に貢献しています。
Future Summits 2022やSEMI主催のSilicon Valley Virtual Forumなどのイベントを通じて、業界の環境影響低減やサステナビリティ施策構築に向け、企業・団体が連携しながら解決策の模索を進めています。
さらなる課題と展望
メーカーによるカーボンフットプリント・資源使用・電子ゴミの削減は、業界の環境影響低減へ向けた初歩的な取り組みですが、半導体バリューチェーン全体にはさらに多様な複雑性と密接な関係性があります。
今月初旬のFuture Summits 2022において、imecのSSTSプログラムディレクターLars Ace Ranarsson氏は「現在、より高度な技術向けの半導体集積回路製造における環境フットプリントについて、データのギャップが存在している」と述べました。
業界全体の環境負荷を削減するには、サブティアや材料・設備サプライヤ等もサステナビリティ施策にコミットする必要があります。まずはESG(環境・社会・ガバナンス)目標の環境サステナビリティ分野の推進として、自社のカーボンフットプリントおよび環境フットプリントの算定から始めることが重要です。自社の天然資源消費量、カーボン排出、廃棄物発生量を削減する目標を設定しましょう。
サプライチェーン全体でサステナビリティ施策を統合し、サプライヤやビジネスパートナーの環境目標や倫理的経営に基づいた実績を評価・スコアリングしましょう。
サプライチェーン全体の可視化を実現し、インテリジェントなビジネスパートナーシップの構築とESG目標の達成につなげてください。